資本主義の終わりとその次に来るモノ
「資本主義の終焉と歴史の危機」という本(水野和男著、集英社新書)が売れているそうです。
もしこの本がソビエト連邦が解体された頃(1990年代)に出ていたら、どういう扱いを受けていたでしょう?
オカルト・トンデモ扱いで失笑されていたのではないでしょうか。
それがベストセラーになる時代。
少なくない人々が、うっすらとではありつつもそういう認識を持ち始めている、ということなのかもしれません。
個人的は、もうそれは終わりを告げていて、あとはどこへ向かうのか、行き先を探しているだけのような気がしています。
終わっている、という判断に至ったのは「ライボー不正操作事件(LIBOR=London Inter-Bank Offered Rate)」が明るみに出た(2012年)ことからです。
詳しい内容は省きますが、要は「量り売りの店が秤を細工してごまかしていた」「ギャンブルの胴元が賭け率を操作して不正な利益を得ていた」というようなことが、金融市場の中でも最重要視されているような指標で行われていた、ということのようです。
これをやられてしまうと、いったい何を基準にしていいのか、金融に関するありとあらゆる価値の信用を失ってしまいます。ギャンブルなら(中毒患者以外は)もうそのテーブルには着けません。
株価、為替……毎日毎時ニュースで大きく採り上げられ、それによって世相まで左右されるのですが(電車まで止まったりする)、それすら無意味なものになってしまう、そんな大きな問題なハズなのです。取り引き、なんて出来なくなるほど信用のおけない状況のハズなのです。
ところが、世界は以前とまったく同じように動いている。誰もそれについて触れない。
なぜなのか?
答えはひとつですね。代わりがない。
資本主義に代わるものがないために、それが綻んで終わっていたとしても使い続けなければならない、ということなのでしょう。
では、いつまでそれを使い続けるのか?
資本主義の次はどんなシステムが来るのか?
マルクスが予想したように、共産主義や社会主義になるのでしょうか。
それとも……
個人的には、そのどれでもないもの、が新たに登場するのではないのかな、とSF的に予想しています。
いや、正確には、そのどれでもあって、どれでもないもの、というか。
資本主義の良い部分、共産主義の良い部分、社会主義の良い部分、その他参考になるものの良い部分、それらを全部取り入れた、しかしまったく新しい形の社会・経済システム。それが颯爽と登場するのです。
はい。
今回のエントリーも、無事オカルト・トンデモ系にまとまってきたところで、終わりにしたいと思います。
※2017.8.21追記
このエントリで触れたライボーが2021年に廃止されることが決定しました。
詳しくはこちらのエントリ「資本主義がその形を変える時 ──── それは2021年かもしれない」をご覧ください。
また、資本主義に代わる新たな経済システムとして「与配主義」、貨幣制度に代わるものとして「順番決定制度」がこのブログで提唱されました。
興味のある方は「マルクス、ケインズ、そして…… 資本主義の次のシステムはこうなる! かも」へどうぞ。