空想・科学・特異点 

Science Fiction Singularity

「本物」ではないと通用しない時代がやってくる ──── 本当のSFの力とは

 

今回のエントリでは

約半年間のブログ休止期間中に見られた

興味深い話をまとめてみたいと思います。

 

その中のひとつとして

あるニュースサイトに記載された内容を引用します。

 

ビジネスにSFの想像力、型破りな発想を導入 | 世界日報

 

以下、内容の転載となります。

 

 

SFの未来が起点、逆算して開発計画に、ソニーGも活用

サイエンス・フィクション(SF)の想像力をビジネスに応用する動きが拡がりつつある。SF小説として描いた未来を起点に、逆算して製品やサービスの開発計画に生かそうとする試みだ。新型コロナウイルス禍のような想定を超えた事態が現実のものとなり、日本企業も型破りな発想方法を取り入れ始めた。

 

温暖化で海上生活を余儀なくされた人々の住居、デジタルで発生させた料理の香りを楽しめるマスク─。ソニーグループは今夏、社内プロジェクトから生まれたデザイン模型を一般向けに展示した。SF作家と同社の若手デザイナーが協力し、「2050年」「東京」「恋愛」をテーマに短編SF小説を書き上げ、その中に登場する製品・サービスを形にした。

 

同社は従来、生活者目線でのデザインのヒントを見つける実践的な手法を採ってきた。プロジェクトを担当したクリエイティブセンターの大野茂幹統括課長は「デザイナーとSF作家の発想は真逆なところがあり、最初は話がかみ合わないことが多かった」と明かす。

 

絵を描くことは得意なデザイナーだが、人物が登場する物語を文章にすることは慣れていない。参加者からは「時代背景や人間関係まで気を配る面白さが分かった」との声が聞かれたという。

 

こうした手法は「SFプロトタイピング」と呼ばれ、2010年代に米西海岸のIT企業を中心に広がった。人類の火星移住構想を掲げる米宇宙企業スペースX創業者イーロン・マスク氏をはじめとする著名起業家が、SFから影響を受けたことが知られている。

 

ソニーのプロジェクトを支援した「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」は、これまでにインターネット広告大手サイバーエージェントとメディアの未来像を探る企画を手掛けたほか、地方自治体とともに先端技術を駆使した都市構想づくりに取り組んでいる。小谷知也所長は「SF作家の思考法を学んでビジネスに生かしてもらいたい」と語る。

 

 

転載ココまで ↑ 

 

 

以前にも何度か書いた通り、

このブログは

「SFの持つ力を駆使し現実の社会に投影する」

ことを目論んで作られたものです。

 

ブログタイトルの

「空想・科学・特異点」も

SF(Science Fiction)の日本語訳である「空想科学」を当てたもので、どちらかと言えば英字タイトル「Science Fiction Singularity」の方がより直接的に内容を表している、ということになります。

 

 

さて……

 

そんなブログから見たこの記事の内容なのですが……

 

 

まず

同じようなことを想定している人がいる、ということに感心しました。

 

「SFの持つ不思議な力」に気付いている人がいるからこそ、このような取り組みが為されるはずなので、そういう意味では(本当の意味のSFを理解している人がいる)という心強さを感じます。

 

 

また

イーロン・マスク氏がSFから影響を受けている、というのは初見でありながら、なるほどと思わせるところがあります。

 

PayPal(決済)」の創業と成功に飽き足らず

「スペースX(宇宙)」や「テスラ・モーターズ(車)」、さらには「ハイパーループ構想(輸送)」等、

一般的には考えられないくらい多岐に渡る分野の事業に取り組む姿勢は、まさに「SFならでは」の突拍子のなさを感じさせます。

 

 

しかし ──── 

 

 

だからこそ、なのですが…………

 

 

「2050年」「東京」「恋愛」というテーマでSF短編小説を書き

そこから何かアイデアを得るという試み(内容)のひとつが

「海の上に家を建てる」

というのはどうなんでしょうか?

 

 

これは

あまりにも「SF」に対して失礼なのではないのかな、と感じます。←

 

 

「海の上に家建てる」とか

今から50年(~70年)くらい前のSF的発想であり

2020年代に語られるべきことではないはずです。

 

 

海上家屋等は

SFにおける

「Science(サイエンス)」の部分をあまりにもないがしろにし過ぎた発想であり

50年前ですら即座に否定されるようなものであったことでしょう。

(記事中で触れられている小説を読めばまた違った見解になるかもしれないことは記しておきます)

 

 

さらに

記事中に見られる

「デジタルで発生させた料理の香りを楽しめるマスク」も

今の時代誰もが思いつくような真新しさのないアイデアであり

わざわざSFの概念を当ててまでする発想ではないと言えるでしょう。

 

 

 

それじゃあ

どういうものが?

 

 

ということになるのですが ──── 

 

 

それは

これまで

このブログで示されてきたように

 

その時点ではどこにもその兆候(存在)がなく

オカルト・トンデモ・噴飯物的に扱われるようなアイデア(表現)が

この世界に実際に現れる

 

というようなものであり、

 

このブログに則して言えば

・高速道路上に公的な物流拠点を設ければよい

・コンビニ同業者間で物流網を共有すればよい

という記事を書いたら

「その時点ではなかった(存在していなかった)形」が

「実際にそのような形として現れた」という結果として現れる

ということになります。

(「資本主義の終わらせ方 ──── 今までの方法論を超えて」参照。いつ言及し いつ現れたかが示されています)

 

 

内容自体は

「そんなこと?」と感じるほど普通の提言に思えるかもしれませんが、

実際は

資本主義下において

「競争によってシェアを拡大する(他社を引きずり降ろす)」

という前提で成り立っている企業間の関係の中で

「協業の方が儲かる場合があるのでは?」ということを示すのは異端であり、

また

その内容自体は真実に迫るものだったとしても

各企業の思惑によってそれ(協業)が否定されることが少なからずあるだろうことを考えると、

提言した形がそのままこの世界に現れる……などということはそうそう起こり得ることではありません。

 

 

 

また ──── 

 

上記した例以外に

最近でも

このブログの先見性がとみに明らかになったので←

次にそれを紹介することにします。

 

 

 

昨年、コロナウイルスが世界中に広がりを見せる中

日本を始めとするアジア圏の感染者数が欧米に比べて少ないのはなぜか?

といったことが世界中の話題になっていたのですが

このブログでは

アジア圏の「醤油文化」がウイルス感染を抑えているのでは?

ということを世界で初めて示しました。

(「なぜ日本を始めとするアジア圏の新型コロナウイルス感染者は少ないのか? ──── タンパク質(豆、魚)長期熟成発酵食品がウイルスの増殖を抑えているかも」参照)

 

 

当該エントリには

その論拠となる考察やデータ等も記しているのですが

パッと見はやはりオカルト・トンデモの類に感じるような見出しでしょう。

 

 

そんな中 ──── 

 

 

コロナワクチンにヤマサ醤油の技…うまみ成分の研究、mRNAの原料供給に進化(読売新聞)

 

www.yomiuri.co.jp

 

 

内容を一部引用します。

 

(引用ここから)

 

 新型コロナウイルスワクチンの主要な原料で、日本企業が存在感を示している。ワクチンの開発では米ファイザーやモデルナといった海外の大手製薬企業が注目を集めるが、日本の醤油メーカーなども原料を提供して貢献している。

 

 1645年創業で千葉県銚子市に本社を置くヤマサ醤油は、ファイザーやモデルナなどの新型コロナワクチンで使われる重要な遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」に欠かせない「シュードウリジン」という原料を提供している。

 

 シュードウリジンは、新型コロナワクチンのスピード開発につながるカギとなった物質だ。mRNAは、体内に入れると免疫が働いて炎症を起こすことからワクチンへの活用が難しいとされてきた。ハンガリー出身の研究者カタリン・カリコ博士らが、mRNAを構成する物質の一つである「ウリジン」をシュードウリジンに置き換えることで、体の免疫システムに異物として認識されず、体内にとどまりやすくなることを示した。

 

 しょうゆづくりを400年近く続けてきたヤマサは、うまみ成分を作る研究を派生させて1970年代に医薬品分野に参入。シュードウリジンは80年代から海外に輸出していたという。従来は研究用が中心で出荷は少量だったが、コロナ禍で状況は一変し、コロナ前の数十倍に伸びた。

 

(以上引用終わり)

 

 

どうでしょう?

 

なぜ日本を始めとするアジア圏の新型コロナウイルス感染者は少ないのか? ──── タンパク質(豆、魚)長期熟成発酵食品がウイルスの増殖を抑えているかも

というエントリが書かれたのは

コロナワクチンの「ワ」の字も出ていない頃のことであり

当然そこに日本の醤油メーカーが絡んでいることは知らなかったのですが

そんな中においても

コロナウイルスと醤油の関係性に言及している

という点において

完全に「SF(Science と Fiction)」的な関係が成り立っていると言えます。

 

 

実際には

記事中の「シュードウリジン」は

醤油の原料として使われているわけではないということ、

ウイルスそのものへの効果ではなくワクチンが体内の免疫システムから攻撃を受けにくくするような働きをするもの、

ということで

醤油そのものの効果をうたっている訳ではないのですが←

それでも

コロナウイルス、そしてワクチンという関係性において

醤油メーカーが大きな意味を持っている、ということが明らかにされたのです。

 

 

 

これこそが

「SFの持つ力」なのです。

 

誰も言ってないし

注目してないし

信じてもない

 

けれども

それがそのままの形、もしくは微妙な脈絡を持ちながら

最終的に真実に結びつく(世に現れてくる)のです。

 

 

ここで

なぜ日本を始めとするアジア圏の新型コロナウイルス感染者は少ないのか? ──── タンパク質(豆、魚)長期熟成発酵食品がウイルスの増殖を抑えているかも

というエントリの終わり(締め)の部分をまるまる引用します。

 

(ここから引用)

 

以上、

このエントリ公開後

各醤油メーカーの株価がうなぎのぼりになったとしたら

風説の流布! とか指摘されたりしないかな………

などと

変な心配をしつつ笑

今回のエントリを終わりにします。

(ちなみにこのエントリ公開前7月3日時点の醤油メーカー最大手「キッコーマン(2801)の終値は4985円でした)←

 

(以上、引用終わり)

 

 

 

ここで

このエントリ(2021年11月14日公開)の直近の株価を見てみます。

 

キッコーマン(2801) 9680円(2021年11月12日終値

 

……ということで

1年強で約2倍になっていることがわかります。

 

なぜ日本を始めとするアジア圏の新型コロナウイルス感染者は少ないのか? ──── タンパク質(豆、魚)長期熟成発酵食品がウイルスの増殖を抑えているかも

という記事が更新された時点で

キッコーマンの株を全力で買っていれば ──── 

今頃お城が建てられていたのです。←

 

 

これは

SF的な予想そのもの(コロナウイルスと醤油の関係)以外に

株価さえ事前に言及する、という

SFの「副次的(現実的)な力」と言っていいでしょう。

 

 

さらに

ヤマサ醬油の株価は ──── と思って調べてみたのですが

ヤマサ醤油は株式を公開していませんでした。←

 

 

もし公開されていたとしたら…………

 

きっとそれは驚異的な上昇率を示していたはずであり………

ドヤ顔ならぬドヤ記事をさらに延々と書き綴れていたはずなのに…………

などと若干惜しみつつ←

 

今回の更新を終わりにします。

 

 

 

※今回の記事で株価上昇の成果について言及したことにより、その効果はここで一旦途切れることとなります。

当該銘柄を含む株式市場全体が今後どうなるか(さらに上昇するか横ばいかナイアガラとなるか←)はコロナウイルスにまつわるSF予想の範疇から外れることとなりますのでご留意下さい ←