ハッピーやら省エネルギーやらを拒むモノ
前回更新した「問題」に関する考察を踏まえて、今回は「インターネットの変遷」から見えてくるモノを採り上げてみたいと思います。
個人が連絡を取り合う手段(今は存在しないものも含め)をいくつか挙げてみると、お約束の「のろし」は当然入るとして←、固定電話、無線、ポケベル、携帯電話、スマートフォン等といったところになるでしょうか。
回線としては、有線および無線の電話・インターネット回線がある、と。
最近の連絡は、通話よりもメールやTwitter、LINE等、ネット回線を通したものが多くなってきたようにも感じます。
古い話になりますが、ネット回線が出来る前は、固定電話回線を使った「パソコン通信」によってインターネット(というかパソコン通信)に接続する、という手段が一般的でした。
電話回線なので、通話と同じく繋いだ時間ぶんの料金が発生します。通信速度自体が遅いのと、パソコンの処理能力の低さから、ひとつの画像をダウンロードするために数十分かかることもあり、接続時は絶えず時間を気にしなければなりませんでした。
夜11時から朝8時までという、あまり電話回線が使われない時間帯に、固定料金で使える「テレホーダイ」というサービスもありましたが、皆そこに群がって使うため、混雑してさらに通信に時間がかかったりしたものでした。
そういった時代から現在へ―――
ネット回線、光通信、電波による無線通信等が編み出され、それぞれが接続時間に比例した料金体系から固定料金へ、と移り変わりました。
そういった変化によって「使える場所」が、部屋の机の上といった固定された場所から、無線LAN環境の届く範囲に、さらに基地局や電波塔、衛星からの電波が届く場所、まで広がってきました。通信速度もケタ違いに高速化されています。
使える場所が広がり、使用回線の値段が下がったうえに固定制となり、端末の価格も安くなる。
どんどん一般化されていく。
これは前回少し触れた交通手段でも同様です。
馬から車、飛行機、そしてロケットへ……
さまざまな種類の発見と技術の進歩によって、だんだん一般化されてきました。
江戸時代の殿様が出来なかったことが、今はお金さえ払えば誰でも出来る。
権力があっても得られなかったものが、進化・進歩によって新たに産み出され、一般化される。
素晴らしい時代になったものだと思います。
しかし―――やはり今も、そして(それを変えない限り)これからもネックになるもの―――が歴然と存在していることを、そろそろみんな気づく頃ではないでしょうか。
現在の社会・経済システムです。
これが致命的な制限になっていて、もっと省エネルギーで、もっとハッピーになれるハズの世界が、ひと昔、ふた昔くらい前の、どうしようもなく古い世界に留め置かれているように感じるのです。
こういう話題になると「資本主義のなにが悪いの?」という意見が出てくると思いますが、それを否定することなく、現状にほんの少し手を加えるだけで新しいモノが出来るとしたらどうでしょう。もちろん、大きく手を加えて、まったく新しいモノを作ることも可能です。
これまでと同じようなことを、より少ないエネルギーで出来るようになったとしたらどうなるでしょう?
いや、より少ないエネルギーで出来るということを皆が知ったとしたらどうなるでしょう?
エントロピーは増大する。 という法則があります。
……ということで……
流れは既に決まっていますね。
あとは、それがどれくらいの速度で、どれくらいの勢いで進むのか。それだけの話、ということになるでしょう。