空想・科学・特異点 

Science Fiction Singularity

図解 お金に代わる順番決定ポイントの流れ

 

このブログでは

資本主義や共産主義に代わるものとして「与配主義」、

貨幣制度に代わるものとして「順番決定制度」を提唱しています。

(その詳しい中身は「与配主義」や「順番決定制度」のタグでまとめられたエントリを参照してください)

 

前回の更新で

流通系小売業を廃止(公営化)し、

さらにその他すべての企業も(半)公営化する

というアイデア(idea)が示されました。

 

なぜそうするのか、については

当該エントリを参照していただくとして

(「税金(年金、健康保険、生活保護、etc)が必要のない世界がやってくる  その仕組みとは?」)

 

そのことにより

すべての税金、健康保険代金、年金などに対する個人負担がなくなり、

生活保護の概念も必要なくなることが示されました。

 

また、現在のシステムからは到底考えられない

「株式会社がなくなる」

市中銀行がなくなる」

といったことも予想されました。

 

それが

あまりにも

現在の形と違っているために

なかなかその姿を想像するのが難しかったりするのですが

今回、

よりイメージしやすいように

与配主義における

お金(に代わる順番決定ポイント)の流れを図式化してみました。

 

 

……その前に……

まずは現在の形について確認してみます。

 

現在のお金の流れを大雑把に追うと

中央銀行 → 市中銀行 → 企業、個人事業主 → 個人(従業員) → 税金 → 政府 → 中央銀行

となっています。

 

各々の内訳としては 

中央銀行市中銀行に資本を供給

     ↓

市中銀行が企業や個人事業主に貸し出し

     ↓

・企業が従業員に給料を支払い

     ↓

・企業や個人が各種税金を国に支払い

     ↓

・国が中央銀行に入金

 

……といった形になっています。

 

 

与配主義下では

今でいう「お金」が存在せず

順番決定ポイントがその代わりとなるのですが

その順番決定ポイントの流れを表したものが次の図になります。

(JP=順番決定ポイント)

 

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 図)お金に代わる順番決定ポイントの流れ

 

………

上図のような形で

順番決定ポイントがやり取りされることになります。

 

特徴的な部分を見ていくことにします。

まず、図の下部、外国(与配主義以外の国)との取り引きです。

 

自国で手に入らない

「資源エネルギー」や

「各種製品の原材料」は

海外から輸入することになるわけですが、

ここで順番決定ポイントを用いたとして……

 

「石油買います。お代はこれで。スッ(と順番決定ポイント)」

「あ? ふざけてんのか? 金だせ金」

 

となるのがオチです笑。

 

よって

与配主義を採用していない国のモノを購入する際は、今まで通り為替として通用する「お金」が必要となります。

 

中央銀行はその「外国為替用のお金」を刷ることとなり、

政府は「順番決定ポイント」を造ることになります。

(この形は、現在「中央銀行が紙幣を」「政府が硬貨を」造っている形と相似です)

 

仮に

この外国為替用のお金と順番決定ポイントを1対1で造るとすると

1円=1JP(JP=順番決定ポイント)となり

「これまでの為替レートとまったく等しく(お金と等しく)、順番決定ポイントを取り扱える」

ということになります。

 

ひとつの国の中で、ふたつの「価値を表すもの」を創ったとしても、その扱いをキチンと定義すれば、混乱を起こすことなく、今まで通りの貿易が可能となります。

 

このことにより

中通り

外国為替用のお金」と「外貨」

「外貨」と「順番決定ポイント」

「資源、原料」と「外貨」

のやり取りがスムーズに行われます。

 

 

次に、図中、中央銀行と政府より上の部分(国内)について見ていきます。

 

公的機関(小売り)については、

図を見ればなんとなくわかるように

これまで(資本主義)における「市中銀行」の役割を果たします。

 

また

市中銀行だけでなく

国家公務および地方公務、

そして小売業を兼ねることになります。

 

図中の

順番決定ポイント(JP)の流れは

これまでのお金の流れとほぼ変わらないのですが

特徴的なのが

「製品」の流れです。

 

個人や企業が造った製品や商品は

これまでの社会では

他の個人や企業とやり取り(売買)することにより「対価」を得ていたわけですが、

 

順番決定制度下では

造られた製品や商品が

いったん公的機関のものとなり

その価値(人や社会に求められるか求められないか)が判断され

その価値に応じて

「順番決定ポイントが付与される」こととなります。

 

この

「人や社会に求められるか求められないかの判断」は

「モノが売れるか売れないか」ということとまったく同義なので、

これまでの資本主義と(見た目上は)ほぼ変わらない社会となります。

 

よって

資本主義から与配主義へと

システムが大きく変更することによって発生するであろう混乱や騒動といったものを極力回避できることになります。

 

このようにして

個人や公営企業によって産み出された価値(製品、商品等)は、100%公的機関が買い上げることにより、事業者の突然の破綻といったものがほぼなくなり、安定的な経済活動が営まれていくことが期待できます。

 

ただ、

「100%の買い上げ」などという制度を作ってしまうと

「とにかくたくさん造って公的機関に引き取らせろ」

といったような、したたか というか あくどい輩(やから)や企業が出てきたりするものですが、

注文および買い上げする相手が「公的機関(小売り)しか存在しない」ということにより、製造物数は極めて厳密に規定されることになります。

(必要数以上作ってもそれに対する対価が与えられない)

 

このことは

「どれだけたくさん作って、どれだけ公的機関に渡したか」に意味があるのではなく、

「それを欲している人がどれくらいいて、どれくらいの人たちに渡せた(与えた、配った)か」ということに意味を見出す与配主義というシステム上、当然の形といえるでしょう。

 

よって

公的機関(小売り)は

「需要と供給および在庫(ストック)を究極的に把握し管理、調整する機関」

である必要があるわけですが、

これは

これまでの市中銀行の業務内容(投資、融資、財務)ともある程度一致したものとなるのです。

 

 

このようにして算出される公的機関(小売り)による注文や製造規制に従わず

需要の伴わない不必要なものを造る行為は

社会に対して損害を与える行為とみなされ

罰せられることとなります。

 

このことにより、

食品の大量廃棄といった問題も解決に近づくことが予想されます。

 

また、

与配主義というシステムに合致しない行為として

「作ったものを公的機関に渡さず、横流しして対価を得ようとする」

行為が考えられますが、

与配主義下の順番決定制度では

 

・個人間における順番決定ポイントのやり取りができない

 

・仮になんらかの形で資産の移動があっても、ブロックチェーンによってその流れ(出どころ)が100%把握されることにより ごまかしが効かない

 

といったことにより、

そのような行為(横流し)は抑制されるか

仮にあったとしても後に必ず明るみに出ることになります。

 

……… 

以上のような形で

公的機関が買い上げた製品は

それを求める個人や企業に売られます(小売り)。

 

その売り上げはすべて公庫(国庫)に収められることとなり

それを原資として

・各種税金や年金、健康保険代金等の個人負担一切なし

生活保護を廃しBI(ベーシックインカム)的ポイントの付与

・新たな順番決定ポイントの発行

 等の施策が行われることになります。

 

ただし

この「BI(ベーシックインカム)的ポイント」は順番決定ポイントとは別個に取り扱われることになります。

 

というのは

順番決定ポイントは

人が「どれだけ他の人や社会に対して与えたり配ったりしたのか」

を考慮して与えられる価値であって、

BI(ベーシックインカム)的ポイントはその概念にあてはまらないからです。

 

このことは

ギャンブルや宝くじの配当に対しても あてはめられます。

 

それらは、順番決定ポイントとは別の単位で扱われることとなります。

 

 

 ………以上

お金に代わる順番決定ポイントのおおまかな流れと

その捉え方についての解説を終わります。

 

ここで

もう一度

順番決定ポイントの流れ図を載せてみます。

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てきとうに ←

図を描きながら

どうやったら見やすくできるか

試行錯誤しつつまとめていったら

意外と

滞りなく、破綻せず、持続していけそうな流れが構築されていることがわかりました笑。

 

やはり

形そのものを視覚的に捉えることは

文章だけの説明よりも

理解を助ける、ということでしょう。

 

見た目の美しさも

意外と重要であって

複雑な流れをシンプルかつ見目麗しくまとめられるということは、

それらの流れが隅々まで問題なく(美しく)機能していくことを暗示しているといえるでしょう。

 

 

ただ……

気付いた人もいるかと思いますが

この図には

「製品を海外に輸出した場合」

の流れが示されていません。

それはまた後の更新であらためて触れたいと思います。

 

実は

その部分こそが

与配主義の大きな特徴(狙い)のひとつであることに言及しつつ

今回の更新を終わりにします。