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Science Fiction Singularity

図解 お金に代わる順番決定ポイントの流れ その2 ──── 与配主義における輸出がもたらすもの

 

このブログでは資本主義に代わるものとして与配主義を、

貨幣制度に代わるものとして順番決定制度を提唱しています。

 

それぞれを簡単に説明すると

 

与配主義は

「人や社会に対して、より多く与えたり配ったりした存在(個人、企業等)が、より多くの利益(順番決定ポイント)を得ることができる」

「与えたり配ったりした質や量といったものを公的機関が査定し、それに見合った順番決定ポイントが付与される」

というシステムであり、

 

順番決定制度は

お金の代わりに「順番決定ポイント」を用い

「モノやサービスを手に入れる際、保有している順番決定ポイントの多寡を比べソート(並べ替え)し、そのポイント数が多い人ほど、モノやサービスを早く多く手に入れられる」

というシステムになります。

(なぜそのような形にするのか? さらに詳しい内容は「与配主義」や「順番決定制度」でまとめられた記事をご参照ください)

 

これまでのエントリで

与配主義下においては

・税金や年金の積立金、健康保険代金等の個人負担が一切ない

生活保護の代わりにベーシックインカムが取り入れられる

などといった

これまでのシステム(資本主義、共産主義)とはまったく違った形が産み出されることが示され、また、そのための財源をどうするか、といったことも明らかにされました。

 

前回のエントリでは

文章だけだと理解(想像)しづらい

順番決定ポイントの流れを図解することにより

どのような流通が構築されるのかについて解説しました。

 

ここで

もう一度その図を掲載します。

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この図の詳しい中身に関しては

前回のエントリを参照してください。

「図解) お金に代わる順番決定ポイントの流れ」

 

ここにおける最大の特徴として

小売業を公的機関が行うことにより

モノの動きにまつわるお金(順番決定ポイント)のすべてが

公庫(国庫)に入る

ということが挙げられます。

 

これはつまり

個人や企業が買い物で支払ったお金のすべてが

「みんなのもの(公庫、国庫)」になる

ということを意味しています。

 

このことによって

税金とか年金の積立金だとか健康保険代金とかの個人負担というものが一切必要なくなるのです。

 

現在、

資本主義や共産主義においては、個人や企業を問わず

所得を得た時(所得税法人税

モノを購入した時(消費税)

その他

何かを手に入れた時や儲けた時等に

それぞれの名目で税金が課されますが

その税率はそれぞれ数%から数十%くらいになっています。

 

これが

与配主義においては、

何かを売買する際

必ず公的機関を経ることによって

その支払いが

すべて公庫(国庫)に入ることとなり、

実際は売買における「代金」でしかないものが

見方を変えれば「税率100%」と見ることができるのです笑。

(実際は税金という概念が存在しないので「税率」という表現はあたりませんが)

 

このことにより

その膨大な税収によって

これまでさまざまな形で個人が負担してきたもの(税金、年金積立金、健康保険代金等)をまかなうことができるようになり

そのような個人負担が一切必要なくなるのです。 

 

……………

どうでしょう、この魅惑のシステム笑

 

 

資本主義(共産主義)下では

お金を手に入れた時に税金を取られ(所得税

何かを買う時に税金を取られ(消費税

定住したら税金を取られ(住民税

車を持てば税金を取られ(自動車取得税、重量税、自動車税、燃料税

たりします。

 

ここに挙げた項目は、税の中のごく一部にしか過ぎませんが

これら税金以外に

さらに

年金の積立金や健康保険代金がほぼ強制的に徴収されるのです。

 

 

このようなシステムの中において、

いったい誰が積極的に消費し、自らの資産を減らしていこうとするのでしょうか?

 

 

これに対し

与配主義では

上に挙げたようなもの(強制徴収されるもの)がすべてなくなります。

 

そのことにより、

あれもこれも買っちゃうぅっ!

といったような

極めて活発な消費活動の展開が見込めることとなるのです。

 

しかも

そうやって消費すればするほど

自分を含めたみんな(他の人、企業、社会、国等)が

オートマチックに潤っていくことになるのです。

 

 

………はい。

 

ということで

このことだけで

夢にまで見たパラダイスが生まれつつあるように感じるわけですが←

実は

まだまだ

こんなものではないのです。

 

 

………ということで

次に

前回のエントリ、及びここに再掲した図に示されていない部分として

与配主義下で造られたモノを海外に輸出した場合

の流れを図にしたものを掲載します。

 

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 図)お金に代わる順番決定ポイントの流れ その2 輸出編

 

図中、赤枠で囲った部分が今回新たに追加された部分です。

 

小売りを担う公的機関から海外に製品が輸出され、その代金(外貨)が公的機関に入ります。

 

その外貨は

順番決定ポイントとの交換や

資源エネルギー及び原材料の代金として

政府や中央銀行に支払われます。

 

ここで

与配主義と順番決定制度について

もう一度おさらいしてみます。

 

与配主義は

すべてが「与え合い」で成り立つように設計されていて

本来「代金をとる」という概念がないのですが

(つまりタダ(無料)で配られる)

そうしてしまうと

・手に入れたモノを使わなくなってしまう

・すぐまた別のモノを欲しがってしまう

・モノを粗末に扱ったりすぐに捨てたりしてしまう

などといった

MOTTAINAI(もったいない)現象が発生してしまいます。

 

よって

それを防ぐ意味をもって「代金」を課すことになります。

 

そしてその「代金」が個人負担をなくすための財源となるのです。

 

順番決定制度における

「お金」にあたる「順番決定ポイント」は

モノやサービスを手に入れる「順番を決める指数」です。

 

これは

理論上は

「モノやサービスを欲しがっている人にはタダ(無料)でそれが与えられる」ということになるのですが、

その際、秩序立ててそれが行われる方法として「配る順番を決める」必要があるため、それを表す指標として「順番決定ポイント」が扱われるのです。

 

この順番決定ポイントは

公的機関から付与され保持している間は「順番を決める指数」として、

使う際は「代金」として対価的に取り扱われます。

 

与配主義下では

「与え合う」ことに意味を見出すことにより

資源エネルギーも

原材料も

生産設備も

労働力も

それを必要としている場所に対して「与えられるもの」と捉えることになります。

 

このことにより

理論(建前)上は←

生産に係るすべての要素がタダ(無料)で流通する

ということになります。

 

このことは

すなわち

そこにおいて造られた製品や商品は

すべて「原価がゼロ」(もしくはゼロに限りなく近いもの)ということになります。

 

 

…………

 

公的機関(小売り)が製品を手に入れる際、

個人や企業に順番決定ポイントを支払ったら原価がゼロにならないのでは?

 

といった指摘が為されるかもしれませんが、

ふたつの理由でその疑問は解消されます。

 

ひとつは

公的機関(小売り)に対して

モノを渡しただけではポイントが得られない

ということによります。

 

これは

造られた製品は消費者に渡った(与えられた)時点で、その価値が判定されるのであって、公的機関(小売り)に渡った時点では価値が発生していない、と捉えることによります。

 

現在の資本主義においては、メーカーは小売り業者にモノを売りつけたら、後はそれが売れようが売れまいが自らの業績とは無関係のこととして扱ってきたわけですが(そのことを利用し、実際は売れてないのに子会社や関連会社に製造物の権利を移し、売れたことにしている業界も多々あります)、

与配主義においては、実際にモノが売れた(与えられた)時点でその価値が決まるのです。

 

順番決定ポイントの流れ図で言うと

図の方にも問題があって、

図を見ると

製品と順番決定ポイントが同時に交換される

みたいに受け取れるのですが

実際は

モノが消費者に渡った(与えられた)時点で、順番決定ポイントが発生する

ということになります。

 

さらに、もうひとつの理由として

順番決定ポイントは、あくまで「モノを手に入れる順番を決める指数」であって、付与され保持しているうちは「お金」的な意味合いを持たず、使われる際に初めて「代金」として扱われる、ということによります。

 

このことも、前者の理由と等しく

モノが流通していないうちは原価がゼロと捉えられる、ということを意味します。

 

 

さて………

 

そこで

そのようにして造られたモノを国外に輸出したら、どうなるでしょう?

 

実質、原価がゼロのものを海外で売る……

 

 

わかりやすいように

例を挙げて考えてみます。

 

例えばスマートフォン

 

A国のメーカーが造る

「デザインも機能も洗練された高品質なスマホ」が10万円。

 

C国のメーカーが造る

「デザインも機能もそこそこながら圧倒的に安いスマホ」が3万円。

 

そして

与配主義の国が造る

「デザインも機能も洗練されていて高品質、しかも もの凄く安いスマホ」が2万5千円。

 

どれが最も売れ

どれが最も利益率が高くなるでしょう?

 

10万円の価値があるものが2万5千円で売られるのです。

「75%引き特価!」が赤字覚悟ではなく当然の措置として可能となるのです。

 

 

……ということで……

 

スマートフォンに限らず、車や家電製品など

与配主義下で造られるあらゆる製品は

平均年収が3千円の国よりも←

安く造れることになり

最も多く売れることとなります。

 

与配主義においては

国内の生産及び消費だけで

既に莫大な富が生じるわけですが

そこで造られたモノを

海外に輸出することによって

世界で最も大きな(超巨額な)黒字を叩き出せることとなり

さらに考えられないような富が国中にあふれ返ることになるのです。

 

もちろん

輸入国(非与配主義国)側にしたら

そのように稼がれたら たまったものではありませんから

関税が300%くらい掛けられることになるかもしれません。←

が、しかし

それでも勝負になるくらい、高い利益率があると考えられます。

 

そのようにして得られた莫大な富は

また、社会全体に還元される(与えられ配られる)ことによって

さらに税や社会福祉といった面における「個人負担」的な概念が遠ざかることとなるのです。

 

はい。

 

ということで

与配主義と順番決定制度における富、及び財源といったものの産み出し方が明らかにされました。

 

本当にそれが成立するとすれば←

資本主義や共産主義社会主義)といった制度は

(経済的な面で)成り立たなくなっていき、

いずれ世界は与配主義化していくことでしょう。

 

そのようにして

世界中の国が与配主義を採用する時、

 

与えたものの価値に応じて

他国からも欲しいものが与えられる

 

というシステムがワールドワイドに構築されることにより

「お金」を介せずして

モノが流通する仕組みが完成するのです。

 

このことにより

経済と社会福祉、経済と人間の幸せ、といった関連性において

資本主義や共産主義では絶対的に解決できなかった問題が

いともたやすく

霧が晴れるように解消していくこととなるのです。

 

 

ということで……

 

与配主義と順番決定制度下で

モノとお金(順番決定ポイント)がどのように流通するのか、

そして

そのシステムによって

どのように人なり社会なり国なりが繁栄していくのか、ということが今回のエントリで示されました。

 

これまでの(古い)

資本主義や共産主義社会主義といったシステムとは

まったく異なるシステム(与配主義)を採用することにより

世界は

まるで異次元へと転生したかの如く←

美しく流麗に、新たなその姿を展開していくであろうということを予想しつつ、今回の更新を終わりにします。