空想・科学・特異点 

Science Fiction Singularity

「不幸せの種」をまき散らすネットツール(SNS等) ──── しかし、それが行き着くところまで行った後に ────

 

前回の更新では

今年一年、考察していくことのひとつとして

・問題が発生した時の対処方法として

 現実的な対処ではなく「別の形での対処法」を模索してみる

ということが挙げられました。

 

そして

その「別の形での対処法」として

「認識そのもの」や「認識の仕方」に何かヒントが隠されているのでは?

といったことが導かれたわけですが、

 

今回の更新では

その具体的な内容に入る前に、

今年、考察していこうとするもうひとつの方、

・日常の中に「不幸せの種」が増え続け

 まき散らされているのではないか?

ということについて考えてみたいと思います。

 

 

この「不幸せの種」とはいったい何なのか、を

簡単に表してみると

「自分の意に沿わない存在を排除しようと表現されるモノゴト」

といったことになるでしょうか。

 

このことが

最近、明に暗に

もの凄く増えてきているような感じがするので取り上げてみることにしました。

 

 

ある程度年齢を重ねている人であれば理解できると思いますが、

数十年くらい前は

この「自分の意に沿わない存在を排除しようと表現されるモノゴト」が

私たちの目に触れるのは

新聞やテレビ、書籍といったものに限られていました。

 

それぞれの媒体において、

各新聞社・放送局・出版社、

そしてその会社組織に属する個々人の意図に応じて

ニュースや社会情勢・状況、出版内容等が

脚色されたり誇張されたり(捏造されたり)して報じられ人の目に触れる、

というような形になっていました(この形自体は現在も同様です)。

 

 

そのように表現された内容は

フラットな目から見ると

内容が事実であるかどうかといった以前に、

記事や報道対象の中傷でしかなかったり

受信側の印象を操作しようとする意図が過分に感じられたりすることによって

人を「嫌な気分にさせるもの」になっていることがままあります。

 

 

この

「人を嫌な気分にさせるもの」が目につくのは

数十年前までは新聞・テレビ・書籍といった特定の媒体に限られていた ──── 

 

ところが、

パソコン、通信、ホームページ、掲示板、メルマガ、ネット、スマホタブレットSNS等が登場してくるにつれ、

一人一人が同じようなものを発信する機会を得ることとなり

さらに多くの人々がそれを目にする機会が増えることとなった ────  

 

 

このことにより

以前とは比較にならないほど

人を嫌な気分にさせる「不幸せの種」が増え続けまき散らされている

ということになっているのかもしれません。

 

 

もちろん

今挙げたような「個人における発信媒体」の存在自体が悪いわけではありません。

 

それらは

「人間をより人間らしく解放するツール」

「個人が大衆に対して発信することのできるツール」として

大いに意味があるものなのですが、

それが故に

そのツールを使って自分の意見を発信する際に

誰かの感情を逆なでするような表現が意図的に込められる場合がある、

ということが「不幸せの種」として人を嫌な気持ちにさせるのだと思われます。

(この場合の「人」とは言及された対象者に限らずその発言を見知ったあらゆる人を含みます)(逆にその表現に快哉を叫ぶ人たちもまたいるとは思われますが)

 

 

SNS上でのやり取りというのは

個人と個人、個人と会社・組織等が直接向き合う場でもあるので

ちょっとした行き違いが感情的な対応になってしまうことがあるのは

ある程度仕方がないことでしょう。

 

特に

「個人的思い入れ」があること(趣味や特技、仕事、イデオロギー等)については

それぞれに「ゆずれない線」が存在しており、

そこを脅かす言動に対しては激しく反応し

自分の思い入れを守ろうとすることは理解されます。

 

 

 SNS上のあちこちで

いろいろな対立が起きているらしいのですが、

(伝聞形式なのは、SNSの利用が極めて限定的で、直接それらの対立を見たわけではなくネットニュースで知る程度なので)

 

 

それが

個人間で

どこかの片隅で行われているならまだしも、

 

著名・高名な方々までもが

「激昂して罵(ののし)り合う」

というような場面が少なからず………というか

かなり頻繁に発生しているように見受けられます。

(けっこうな頻度でネットニュースに取り上げられている)

 

このことによって

より多くの人がその「感情まる出しの表現」に触れ

「不幸せの種」を抱えた状態で社会を形成することになるのです。

 

著名であるということで

その方に賛同する人やファンが多くいることにより、

本来は単なる「個人的対立」であるはずのものが

単に個人間で収まらなくなり団体戦のような形となって

さらにアンハッピーな空気が より世界に広がっていく

という負の連鎖が生じてしまう、と言えるでしょう。

 

 

また

このことは

まったく別の問題をも引き起こしています。

 

この

まったく別の問題とは

「ある国の大統領のSNSアカウントが閉鎖された」ことを意味します。

 

「その扇動的発言がデモ隊の議場および大統領府への侵入を促したから」

というのがアカウント閉鎖の直接的な理由らしいのですが、

その部分(扇動的発言)が理由になるのであれば

他に閉鎖されてもおかしくないようなアカウントは(背後にどのような存在がいるかは別として)大量にあると考えられます。

 

 

実は

この行為 ──── 大統領のアカウントを閉鎖する ──── も

見方を変えれば

「自分の意に沿わない存在を排除しようと表現されるモノゴト」という

「不幸せの種」まき散らし問題と何ら変わらない構造になっているのです。

 

 

 

(「炎上商法」などという言葉もあるくらいに)

人の感情を過度に刺激する表現を自由にさせまくっておいて、

都合が悪くなったり

意に沿わなくなったりした存在は排除する

 

 

 

このように形成される世界が

ハッピーなものになっていくのでしょうか?

 

 

当然

「ならない」

ということとなり

「しかるべき対処を ──── 」ということになるのですが………

 

 

…………ここで

 

しかし、

 

となるのです。

 

 

 

しかし ──── 

 

もしかしたら………

 

これらは実は必要なことなのかも?

 

………

という見方もまた出来るかもしれないのです。

 

 

 

どういうことか?

 

 

それは ──── 

 

これまで記してきたような行為そのものは

幸せの形成にまったく役に立たないどころか

「不幸せの種」ばかりまき散らしていることになるのだけれども、

だからこそ逆に

「なぜ自分は世界に不幸せを増やそうとしているのか?」ということに気付ければ

その不幸せの種をまくことを止め

ハッピーを増やす方向に向かい出すことが期待されるから、です。

 

 

 

個人発信のツールが増える度に

不幸せ(不満)の種はまき散らされ

世界はそれに染まっていく ──── 

 

 

激しく罵り合う

相手をねじ伏せる

扇動する

意に沿わない存在を排除する

 

 

………相手を、より貶(おとし)めることのできる表現を模索するような世界………

 

 

それが行き着くところまで行った時、反転して

ふと何かに気付く瞬間が訪れるのかもしれない、のです。

 

 

それに直接向き合っている時は

感情が刺激され激しくやり合ってしまうけれども、

そのような中においてこそ

何らかの疑問が浮かび上がる(かもしれない)。

 

 

自分はいったい何に対して怒っているのか?

その怒りはどこから湧いてきているのか?

何に従って怒っているのか?

怒り発生のメカニズムとはどのようなものであるのか?

 

 

そのような疑問が浮かび上がってくれば

それを

その仕組みを

解明していく方向に世界は向かいます。

 

それは

「怒り」だけでなく

「喜怒哀楽」どのような感情においても同様の仕組みであることでしょう。

 

 

そして

それを知ろうとするということは

人間を

自分を

より詳しく知るということに繋がり、

その先で

「自分」というモノとはいったい何であるのか?

「本当の自分」とは?

という疑問が解決していくことで

今までの自分(世界)とは

まったく違った自分(世界)を見い出せるのかもしれません。

 

 

それは ──── 

 

ある意味においては

世界そのものが変化する時となる

 

………のかもしれないのです。

 

 

 

………ということで

 

今年一年をかけ

・問題が発生した時の対処法として

 現実的な対応ではなく「別の形での対処法」を模索する、ということに関して

 「モノゴトの認識の仕方」に着目してみる

ということ、

 

・日常の中に「不幸せの種」が増え まき散らされていることに関して、

 怒りを始めとする喜怒哀楽といった感情が何によって生み出されているのかを分析し

 「本当の自分」を知る

ということを

目標としていきたいと考えています。

 

 

この二つの謎は

解明されていくにつれ

いずれガッチリと組み合わさって、

揺るぎないハッピーの形成に繋がるのでは?

とSF的に期待しつつ

今回の更新を終わりにします。