空想・科学・特異点 

Science Fiction Singularity

なぜ「お金」ではなく「順番」なのか?  ──── 貨幣制度の終わりと順番決定制度 ───

(最初の注: 今回のエントリは400字詰め原稿用紙18ページ強あるので、のんびりお読みください) 前前前回の更新で 「貨幣制度」の次のシステムとしてこのブログで提唱している 「順番決定制度」について詳しく取り上げました。 ( お金から順番へ 貨幣…

キャッシュレス決済の本命が現れ始めた

前回の更新「停電とキャッシュレス決済」の結びで 生体認証キャッシュレス認証こそが 次世代のシステムとしてふさわしい と、まとめました。 10月4日、ニュースで 「富士通研究所、手のひら静脈認証と顔認証を組み合わせた生体認証融合技術を開発」 (Imp…

停電とキャッシュレス決済

今回のエントリでは 「停電とキャッシュレス決済」の関係について、あらためて考えてみることにします。 今月9月4日、台風21号が近畿地方を通過しました。 それは、事前の予想通り非常に勢力が強く、関西国際空港や送電設備その他に大きな被害をもたらし…

お金から順番へ  貨幣制度の次は「順番決定制度」

登場人物 父(自営業) 母(主婦) 子1(女.中3) 子2(男.小6) ①資本主義的市場経済型家計の場合 父「これが今月の予算という名の手取り40万円だ。これをみんなで争奪しよう」 子1「争奪て……」 父「みんながそれぞれ自分の役割をこなしている。そ…

キャッシュレス決済の「さらに先の」システムを考えてみる

以前のエントリ 「キャッシュレス決済のシステムを考えてみる」において さまざまなシチュエーションにおける利便性を鑑みた結果、 「お財布マイナンバーカード的なものを創ればよい」という見解に達しました。 ところが、 実はそのようなシステムはもう既に…

それは既に始まっている

このブログでは、資本主義や共産主義といった経済・社会システムの「代わりとなる何か」を模索しています。 その「何か」にあたるものとして提唱しているのが「与配主義」です。 共産主義においては規制と独裁、 資本主義においては競争と奪い合い、といった…

資本主義で参考になること → 企業の公有化

前々回の更新では「共産主義で参考になること」として「土地の公有化」を挙げましたが、今回は、資本主義で参考になることのひとつとして「企業の公有化」について考えてみたいと思います。 「企業の公有化て、それは資本主義じゃなくて共産主義だろ?」 イ…

与配主義における土地の公有・国有化の意味 それが何をもたらすのか

与配主義とは 共産主義においては独裁と規制、資本主義においては競争と奪い合いによって構築されているシステムを、「より多く与えたり配ったりした存在(個人・会社等)が、より多くの利益を受けられる」というシステムに変えたものが「与配主義」となる。…

共産主義で参考になること → 土地の公有・国有化

このブログでは 「共産主義でも、資本主義でもなく」 「共産主義の良い部分、資本主義の良い部分、両方を取り入れた」 「まったく新しい経済システム」を模索しているわけですが、 前回のエントリで中国の社会信用システムを取り上げたついでに、「共産主義…

このブログの提唱内容と中国の政策がなんとなく似ている件

先日、興味深いニュースを見つけました。 それは、 「中国政府はこのほど、社会信用ポイントの低い国民に対して、高速鉄道や飛行機の利用を最長一年間禁止にする処置を、2018年5月1日から開始すると発表しました」 (原文まま)というものです。 (中…

「経済」が人の幸せを阻害する時代  新しい胎動が始まる

2015年の4月1日から始めたこのブログも、4回目の4月1日を迎えました。 始めの2年間は、1日に数人ほどしか訪問者がいませんでしたが、去年「与配主義経済」「順番決定制度」「全員公務員社会」等のアイデア(idea)を披露してからは、たくさんの方…

キャッシュレス決済のシステムを考えてみる

先日、キャッシュレスでの決済システムを3メガ銀行が共同で開発することが報道されました。 www.nikkei.com 以下は、その一部抜粋です。 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクグループは、スマートフォンで手軽に支払いができる「QRコード決済」に…

ここで、あえて現金(キャッシュ)の良さを再確認してみる

最近、各種メディアやSNS等で、著名人やコメンテーターによる「現金」についての発言が散見されます。 「現金払いやめろ」 「コンビニで現金を使う人は頭悪いんじゃないか?」 等々。 このブログでは、2015年の大晦日と2016年の一発目の更新で「貨幣…

2018年

お久しぶりの更新です。 昨年の11月、 少し ……というか、だいぶ予定(予想)外の突発的な事象が発生してしまい、それへの対応や事後処理のため、ここまでブログの更新ができませんでした。 年が明け、それもようやく落ち着いてきたので、更新を再開したい…

与配主義における経済の流れや価値の捉え方について

与配主義とは 共産主義においては独裁と規制、資本主義においては競争と奪い合いによって構築されているシステムを、「より多く与えたり配ったりした存在(個人・会社等)が、より多くの利益を受けられる」というシステムにしたものが「与配主義」となる。 …

資本主義がその形を変える時 ──── それは2021年かもしれない

2015年の4月1日から、このブログを始めましたが、その最初期のエントリに「資本主義の終わりとその次に来るモノ」というものがあります。 以下はその一部抜粋です。 (※冒頭の「それ」という代名詞は「資本主義」を指しています。) 「個人的には、も…

「競争」で良くなる時代が終わりつつある

長い期間に渡り、日本の経済政策を担ってきたある人(国会議員、民間議員、大臣、経済戦略会議委員等経験者)は 「競争こそ正義!」 といったニュアンスのことを、様々な時に、様々な媒体で話しているそうです。 (文末が伝聞形式なのは、実際にそう言ってい…

「失われた20年」だからできること

「失われた20年」という言葉があります。 Wikipediaによれば 「失われた20年(うしなわれた20ねん)とは、日本経済が安定成長期終焉後である1991年(平成3年)3月から約20年以上にわたり低迷した期間を指す語である」 とのこと。 現在は201…

消費税ではなく逆消費税にする。ただしアレはなくす。

このブログで「与配経済」が唱えられたことにより、既に資本主義はその役割を終えたわけですが(←少なからぬ誇張アリ)、それでも、まだ延命する方法がありそうなので、今回はそれについて考察したいと思います。 現在の消費税率は8%ですが、いつか10%…

ぼくの かんがえた さいきょうの けいざいシステム

ひとに なにかを うる ことで もうける しほんしゅぎ より ひとの じゆうや よくぼうを おさえることで なりたつ きょうさんしゅぎ より ひとに なにかを あたえて くばって もうける よはいしゅぎ(与配主義) の ほうが きわめて こうりつのよい しゃかい…

マルクス、ケインズ、そして……  資本主義の次のシステムはこうなる! かも

ちょうど2年前の今日、2015年の4月1日にこのブログがスタートしました。 以来ずっと「前置き」みたいなことを書いて来ましたが、そろそろ「本題」に入ってもいいような気がしてきたので(前置き長っ!)この更新以降、それについて触れていきます。 …

今までとは「逆の世界」の可能性

ここ最近のブログにおいて、共産主義と資本主義、それぞれの問題点を挙げてきました。 それらから感じるのは、これまでの世界を形作ってきたこのふたつのシステムは、どうも完璧には程遠い存在なのではないか、ということです。 これらふたつのシステムがど…

経済や社会はどう変わっていくのか? これまでのまとめ 1

ブログは手軽に書けるのが魅力ですが、以前に書いた記事が参照しづらいという欠点もあります。 そこで、これまでに書かれた内容のうち、重要な部分のまとめを定期的に差し込んでいきたいと思います。 以下はSF的考察に基づく予測です。 ここでいうSF(Scienc…

「お金を持っている人が必ずしもエライわけではない」という問題

今回は、以前のエントリ(「共産主義と資本主義の失敗は目指すベクトルを間違えたから」)の中で、資本主義の問題点として挙げられた「お金を持っている人(会社)が必ずしもエライわけではない」ということについて考察してみます。 このトピックには、ふた…

儲ける先がなくなる時

前回の更新「誰かが儲ける時、他の誰かは奪われている」で書いたこと、 「儲けている誰か」が貯め込んだり、どこかに隠したりすることで「その儲けに協力した側の存在」は力を失っていきます。 皮肉なことに、そのことによって、今度は「儲けていた側」がそ…

誰かが儲ける時、他の誰かは奪われている

今回は、「儲ける」ということがどういうことなのか考えてみたいと思います。 製造業において、ある製品を作る時にかかった費用(材料費、設備投資費、光熱費、家賃、人件費等)を「原価」といいますが、これに価格を「上乗せ」した部分が「儲け」にあたりま…

ブッダの苦行は必要なかった  のか?

ここのところずっと、経済・社会システムの考察ばかりしてきたので、ここで別の話題に触れてみたいと思います。 べつの話題とは 「ブッダの修行は必要なかったのか?」 というものです。 なぜ今それを? 書いてる当人もまったく意味がわからないのですが、最…

共産主義と資本主義の失敗は目指すベクトルを間違えたから

前回の更新(共産主義も資本主義も人の為には存在していない)で、共産主義と資本主義の双方で共通している問題点を考察しました。 それは、端的に表せば 「共産主義も資本主義も、個人の幸せとかどうでもよくて、自分自身(そのシステム、体制)が続いてい…

共産主義も資本主義も人の為には存在していない

これは、共産主義も資本主義もその設計部分において致命的な欠陥を抱えている、ということに他ならないのかもしれません。 つまり、 共産主義も資本主義も、個人の幸せとかどうでもよくて、自分自身が続いていけばいい、という前提で存在している、のです。

もうひとつの変革

超お久しぶりの更新です。 長く間が開いたため、もう更新されないのでは? と感じた人もおられると思います。 前回更新時には既に次回以降どのような内容を記していくか、大まかに決まっていたのですが、なんとなく自分の中のタイミング―――説得力的な意味合…